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人とブランドをつなげる 顧客体験の創り手たち Vol.3 | 大西 正太さん

公開 2025年4月18日/更新 2025年4月18日/10 分で確認

人とブランドをつなげる 顧客体験の創り手たち Vol.3  |  大西 正太さん
作成者
Team Braze

マーケティングに興味を持ったきっかけ、マーケターの原点はどこにあるのでしょうか?

漠然と「将来はこういう仕事がしたい」と思ったのは中学生の頃です。携帯電話はガラケーの時代で、J-Phone(現ソフトバンク)の広告に『私を、私たちにする』というコピーがあり、それを見た瞬間、心が「!」と震えました。

家族、友人、知人と通話するだけでなく、携帯電話+インターネットで不特定多数の人と瞬時につながるようになる。時代の変化、プロダクト進化の本質をひと言で表現したコピーに感動して、「自分もこんなふうに商品をアピールする仕事に携わってみたい」と思うようになったのです。

大学は経済学部のゼミでマーケティング専攻を選択しましたが、もっと現場に近い実践的なことを学びたいと考え、広告費批評の広告学校、宣伝会議のコピーライター養成講座などに通うようになります。そこで第一線で活躍するクリエイター、マーケターの話を聞き、直接ふれあえたことがセカンドインパクト的な体験でした。

大学卒業後はベンチャーからキャリアをスタートさせています。

マーケターとしてのキャリアは、クーポンの共同購入サービスを行っていたグルーポンからです。日本のある程度の規模の会社だと、総合職で採用した後に配属を決めるケースが一般的ですが、私はマーケティング志望で他の仕事をするつもりはありませんでした。ベンチャーのほうが近道だと考えていたため、インターンからマーケティングを経験できたグルーポンに入社しました。

そこではSNS広告、ディスプレイ広告などのデジタルマーケティングやメールなどのCRMマーケティングなどと、スマートフォンサイト、アプリ改善などのPdM(プロダクトマネージャー)、2つの領域を担当していました。ここでプロダクトに携われたのは、キャリアを振り返ると大きな意味があったと思います。

a man smiles in front of a dena sign

その後、ナイキでマーケティングに携わっていますね。

経験を重ね、ブランドマーケティングを学びたいと考えたのが転職の理由です。ちょうどナイキが日本でEコマース事業を立ち上げようとしていた頃で、小売り向けのマス・マーケティングに加え、One to Oneのデジタルマーケティングの強化に取り組んでいました。今は自社アプリがありますが、当時は複数のSNSなどに点在するターゲットに対してコミュニケーションを仕掛ける必要があり、CMや販促POPなどのプロモーションだけでなく、そこにも携わっていました。プラットフォームの可能性に気づいたのもこの頃です。

その気づきがマーケターとしてのキャリアに大きく影響した、と。

ナイキでブランドマーケティングに関わりながら、注目していたのがLINE(現LINEヤフー)でした。メッセンジャープラットフォームとして急成長しながら、その基盤を活かして複数のサービスを立ち上げライフプラットフォームとして更に成長していこうとしているタイミングだったので、そこにマーケターとして関わりたいと思って転職します。

LINEマンガ、LINEスタンプではマーケティングの責任者をやらせてもらい、マーケティング戦略からいろんな施策のプランニングも担当できました。そこで得た経験とスキルをもとに、別のプラットフォームビジネスの成長に立ち合いたいと考え、メルカリへ。

メルカリ時代にマーケティングのコンサルティング事業で起業し、スタートアップを中心に支援しつつ、その内の一社でCMOとして事業拡大を牽引した後に、2023年1月からディー・エヌ・エーでPocochaのマーケティングを担当しています。

キャリアを通して、転職のタイミングはどう決めてきたのですか?

ひと言でマーケティングといっても幅広く、事業のフェーズによって、課題も必要なマーケティングも変わります。私にはスペシャリストではなくゼネラリスト的な志向があり、目指したいのは、幅広いスキルセットを持ち、様々な業種、事業フェーズ、、課題にアプローチできるプロのマーケターです。常に「今の自分に足りない経験、スキルは何か」を考え、それを埋めるチャンスがあれば逃さないようにしてきました。

メルカリの時点で、想定していたスキルセットは得られたと感じたため、自分を起点に事業やサービスの成長を支援したいと思って起業しました。今はディー・エヌ・エーに所属していますが、プロのマーケターとしてPocochaを客観的に見ているという感覚です。

a man talking in front of a screen that says ocho

振り返ったとき、キャリアのターニングポイントとなったのは?

1つはグルーポンの頃で、マーケティングだけでなく、PdMとしてプロダクトにも関わったことです。以降のキャリアでも、プロダクトの改善に関して社内の開発者、エンジニアと目線を揃えて話せるため、貴重な経験だったと思います。

もう1つはナイキでブランド・マーケティングに携わったことです。クリエイティブへのこだわりを含め、自分たちの仕事が世界からどう見られているか意識するよう、徹底的に叩き込まれました。ネット系のサービスはKPIなど足元の数字に引っ張られ、ブランド構築まで意識がまわらない傾向もあります。ナイキでブランドマーケティングの施策を経験したことで、マーケターとしての視野が広がったと思います。

今はPocochaのマーケティングを担当していますが、経緯、業務内容を教えてください。

ジョインした理由は3つあり、1つ目の理由は、ライブ配信市場に大きな成長余地があると感じたためです。Pocochaは後発のサービスですが、コミュニティ型サービスとして存在感を示しています。コロナ禍での成長から更に成長軌道に乗せるため、自分の経験を生かしたいと思いました。また、これまでのキャリアの中で個人のエンパワーメントというのを仕事選びのキーワードにしていて、Pocochaは配信を行うライバーと参加をするリスナー、関わるステークホルダー含めて双方に影響を及ぼせるサービスだと考えたのが2つ目の理由になります。3つ目は人で、事業に関わるメンバーに魅力的な方が多かったためです。

業務内容は、リスナー側のマーケティングとCRM領域の統括になります。リサーチ、プランニング、PR、クリエイティブ等、さまざまな領域のエキスパートと協力しながら描いた戦略の実現に向けた施策立案、実行、検証などのサイクルをまわしています。起点になるのが顧客理解で、サービスに興味を持ってもらい利用意向を高め、より良い顧客体験を届け、エンゲージメントを高める取り組みも行っています。

PocochaではBrazeを導入していますが、なぜBrazeを選んだのか理由を教えてください。

私は前々職、前職でBrazeを使っており、高度な機能を備えたCRMツールで、ユーザーとのエンゲージメントを高める上で欠かせないと思っていました。機能面で注目したのは3つのポイントで、1つ目は、ユーザーとリアルタイムにコミュニケーションが取れること。サービス登録直後、アプリ内で何らかのアクションを起こしたときなど、ユーザーの熱量が高いポイントを逃さずにアプローチできます。十人十色のユーザーの行動、カスタマージャーニーに合わせ、コミュニケーション内容とタイミングの設計を自動で行えるのが2つ目のポイントでした。あるユーザーが登録後に特定のアクションをしていたらAの打ち手、していなかったらBの打ち手など、状況別に対応できます。

3つ目はマルチチャネル対応です。ユーザーとのタッチポイントは多様化し、メール、LINE、プッシュ通知、アプリ内のバナーやポップアップなど、どこで効果的な接点を持てるかはユーザーごとに変わります。多様化するタッチポイントを1つのツールで一元管理できれば、施策を効率的に進められます。

もう一つ補足すると、Brazeはノーコードで扱えるため、エンジニアに頼らなくても施策やテスト等を実施できます。スピード感を持って取り組めるのも魅力でした。

a close up of a man 's face with a white shirt on

面白さも難しさも含め、マーケティングの魅力はどこにあるとお考えでしょう?

面白さは、同じ状況は何ひとつとしてないところです。事業の成長フェーズに合わせて、最初に描いた戦略はどんどん書き換えなければいけないし、マーケティング施策も「その時点でのベスト」にバージョンアップしなければいけない。毎日、新しい壁が目の前にあらわれるところが、飽き性の私には向いているのかもしれません。

現場の担当者でいるときと、マーケティング統括的な立ち位置では視座を変える必要があり、これは面白さであり難しさでもありますね。事業の上流工程、経営に近いところで仕事をする機会が増え、自分の判断が事業全体に与えるインパクトも大きくなり、相応の責任もあります。

考えているのは、いろんな事業メンバーと接点を持ちながら、施策単体ではなく、大きなチームとして成長するため、マーケターには何ができるのか。難しい反面、今まで経験したことのない面白さも感じています。

今後、どんなキャリアを築いていきたいか、最後に聞かせてください。

自分のキャリアを生かし、マーケティング施策とプロダクト改善を合わせ、事業を成長軌道に乗せられるように取り組んでいきます。他の事業や会社にも再現性を持って応用できるフレームをつくりたいと考えています。

先が見えるとつまらないと思ってしまうタイプなので、より困難でカオスな環境に飛び込み、チャレンジも続けたいですね。マーケターの視点で戦略を練りながら、事業や組織の成長にもコミットする。そんなマーケティング活動を行っていきたいと思います。

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