公開 2025年2月12日/更新 2025年2月12日/8 分で確認
大学生のときは、居酒屋などでのアルバイトの他に芸能事務所に所属し、俳優養成所に通ったり、モデルの仕事をしたり、エンジニアとは無縁の生活を送っていました。卒業後、友人の推薦でミスユニバースに応募したり、京都大会でファイナリストまで進んで、なんというか、その時点で「やり切ったな」と。25歳目前でしたし、新たなに手に職をつけるという発想で選んだのがエンジニアです。両親がエンジニアだったこともありましたし、映画やドラマに出てくる、パソコン画面にコマンドを打ち込むハッカーがカッコいいと思っていて……ミーハーですみません(笑)。
求人情報を漁りながら、フィリピンのセブ島でプログラミング研修を受けられる求人を見つけました。漠然と、将来は海外で働きたいという思いもあり、ここならプログラミングを学びながら、さらに英語も身につけられそうなので、私にとって理想的じゃないか!と。セブ島での研修は半年。基礎を学びながらアプリ開発やウェブ制作を行い、私がつくったカメラアプリが思いがけずヒットし、開発のおもしろさを知るきっかけになりました。帰国後はエンジニアとして採用され、アプリ開発、メディアサイトの制作などを行い、これがエンジニアのキャリアのスタート地点になります。
最初の会社で約3年、エンジニアとして働きながら、自分で事業を興したいと考えるようになったのですが、ビジネスサイドの経験が必要だと思い、転職しました。完全なジョブチェンジで、2つ目の会社では経営企画や広報的な仕事に携わっていました。今振り返ると広報、採用、会社のブランディング、インナーコミュニケーションに関わったのは貴重な経験でしたが、やはり自分には開発の仕事が向いている、と再認識し、将来を考えているとき、トリビューの創業者と出会います。「女性向けのサービスを立ち上げたいから、女性エンジニアとして参加してほしい」といわれ、おもしろいことができそうだと感じたのでジョインしました。なので、トリビューにはサービスをリリースする前から関わっています。
ひと言でいうと「美容医療の総合プラットフォーム」で、アプリやウェブサイトから外科、皮膚科、審美歯科など美容医療を提供しているクリニックの口コミや評価、症例写真が見られたり、クリニックや美容医療施設の検索、予約したりできるサービスを提供しています。ユーザーとクリニックの間に立ち、ビジネスモデル的にはBtoC、BtoB両方の側面があり、国内だけでなく、韓国のクリニックとも提携しています。私は今、開発部のマネージャーという立ち位置で、組織づくり、メンバーのケアとサポート、採用、他部署との連携の窓口的な業務が中心です。
全社的にリピーター獲得の施策を強化していますが、今までは開発とマーケティング、特にCRMの部門が別々に動いていました。この連携を密にして、施策の成果とスピードを両立させるのが課題となっています。CRMのツールとして活用しているのはBrazeです。マーケティングサイドでの活用を最大化するため、開発サイドからサポートすることで、セールスやCSといったビジネス全体に好影響を及ぼすことができます。
Brazeを導入する際、当時の上司から「Brazeについては村田に聞けばわかるというポジションの確立」という目標を立てられました。それまで、CRMツールをがっつり使った経験はありませんでしたが、機能を調べ、ドキュメントを読み込み、月例ミーティング、オフラインのイベントなどにも参加しながら、理解を深めていきました。完全ではなくても「Brazeのことならなんでも聞いてください」というと、社内からいろんな情報が集まり、私からの提案もしやすくなっています。マーケチームの施策を実装するまでのリードタイムも短縮できているはずです。
マーケターとエンジニアでは、ものの見方や感じ方が異なります。マーケターは普段の作業の流れで当たり前にやっていても、エンジニアは自動化したがりというか、もっと効率よくできるのでは、と常に考えます。例えば、ユーザーに向けた配信を行う際、CSVファイルでのデータ化を当然のように行っていましたが、Brazeのカタログ機能を使えば、余計な手間をかけずにパーソナライズした情報提供ができると、こちらから提案しました。すると、マーケティング側の反応も良く、今はBrazeカタログを利用してすべての配信を行なっています。アンケート機能を実装する際、Brazeの機能をもとに、マーケ、開発、プロダクト、それぞれの役割の人が作業分担して、効率よく進める提案も行いました。
そこは難しいところで、マーケターがやりたくても、実装する際の言葉の定義などがやや特殊で、つまずいてしまうケースがあります。そこで諦めてしまったり、時間を浪費したりはもったいない。理想はマーケターがBrazeへの理解度を上げ、開発やプロダクト側に具体的な依頼をすることですが、人材育成にはどうしても時間がかかります。そこで当社では、CRMチームにBrazeに詳しいエンジニアを置き、アイデアを具現化するまでのリードタイムを削減する体制をとっています。
特に、配信に関してずっと関わって来ましたが、Brazeを使うようになって、マーケティングのことをもっと知りたいと思うようになりました。ひと通りの知識を持った上で連携したほうが、より現場に即した提案ができるはずですから。Brazeのことがわかり、マーケティングについてもある程度理解できれば、キャリアパスの選択肢は間違いなく広がっていくでしょう。エンジニアの道を深く追及するキャリアもありますが、私は性格的にもいろんな方向に興味関心が向くタイプなので、結果的に良い流れになっていると思います。
Brazeの機能だと、よりきめ細かくパーソナライズできる機能はいろいろ試してみたいですね。既存の独自システムとの関係でまだ実装はできていませんが、コンテンツカードには可能性を感じています。あとはフィーチャーフラグ。追加のコード展開、アプリストアの更新なしに、リモートで機能をオン/オフできる機能はかなり使い勝手が良いだろうと考えています。自分のキャリアに関していうと、直近では開発のマネージャーとして、会社が成長するための組織づくりをしっかりやること。長い目でみると、海外で働きたいという思いもずっとあるので、いつか実現したいですね。そのためにも、プロダクト全体がわかるのはもちろん、Brazeの利用を含めてマーケティング経験値も高めていきたいと思います。
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